※「サイバーパンク2077」のエンディングに関するネタバレを含みます
1周目、最後に迎えるエンディングは「星」と決めていました。
つまり、今回は残った二つのうちの一つ――「悪魔」。
最初はこの「悪魔」、スルーしてしまうつもりでした。
何せ「索敵と殲滅」でやらかしているのです。
だとすれば、見る必要もなかろう、と。
しかし、よく考えれば2周目で「やらかしている「悪魔」は見られない」ということに気付きまして。
良い話にはならないことを直感しつつ、ハナコの賭けに乗ることに。
話の結末はともかく、この選択はジョニーを裏切ることになるんですよね……。
正直、それが一番嫌な部分でした。
……アラサカに丁重に扱われるのも何だか変な感じですね。
ハナコの作戦自体はほぼ「夜想曲第15番 OP.55-1」で説明されたとおり。
アラサカ・タワーまでついて行って、役員会議でヨリノブの蛮行を証言する。
それによってヨリノブを排除、代わりにVを<神輿>まで連れて行く、と。
――役員会議に「サブロウ・アラサカの意識」という、とんでもない爆弾を持ち込むことを除いて。
そう、サブロウ・アラサカは自分の不測の事態に備えて、自分の意識を保存してあったのです。
そんなSFみたいな展開、いいの!?
いや、「サイバーパンク」だからSFか!?
「証言が必要なくなるのでは?」と一瞬思ったものの、これはあくまでバックアップなのでしょう。
バックアップ時点の記憶と、それ以降のバックアップとしての記憶をもった、サブロウ・アラサカ。
つまり、バックアップ後、紺碧プラザ内で起きたことの記憶はもたない。
「ヨリノブがサブロウを殺害した」というVの証言は必要になるハズです……おそらく。
妙な表現になりますが、殺されたサブロウ本人は既に死亡済み。
バックアップとしてのサブロウがサブロウとして話しているのでしょう。
それが本当にサブロウ本人と言えるかどうかは……難しい話になりますね。
同一性だとか、「スワンプマン」だとか、そういう方向の。
ヨリノブを役員会議で弾劾して終了! ……ならば話は早いのですが、実際はそうもいかず。
ヨリノブは不在。
とはいえ、「サブロウがいる」ワケですから、役員会議としてはその意志に従うしかありません。
サブロウはハナコに任せ、ハナコの言うとおりに事が進む――と思いきや、ヨリノブ派の襲撃!
やっぱりそうなるか!
ヨリノブ派を蹴散らしてヨリノブの元まで辿り着くと、彼の本当の目的を語ってくれます。
彼は彼なりに、サブロウを止めようと画策していたワケですね。
<Relic>もその要素の一つだったものの、各所に目をつけられ、Vたちに盗まれ……。
……不憫だな、ヨリノブ。
その後は約束どおりに<神輿>へ。
ジョニーと別れの挨拶、ということになるのですが……これがとにかくキツい!
ちゃんと約束は果たしただけに、アラサカに多少の恩義を感じているV。
心の底からアラサカを憎んでいるジョニー。
いっそ蔑んでくれれば気も楽になるのですが、罵りつつも説教に入るのがジョニー。
こういうジョニーには手厳しさよりも優しさを感じてしまいますね。
しかし、最後に彼が見せた感情は「失望」でした。
ジョニーらしく、せめて「怒り」であってほしかった……。
<神輿>からの生還、つまり<Relic>摘出後はひたすら続くリハビリに。
脳をやられているのでホラー調の演出も多々ありますが、正直、リハビリ自体がホラー。
ただ同じ調子で同じことを続けられて、それがいつまで続くのか……?
短縮されたプレイヤー視点ですら長く感じたので、V視点だと一体どれだけ……。
ブチ切れる選択肢もあったものの、私は黙々と続けていましたよ、ええ。
そんなリハビリ続きの毎日の中、テレビではサブロウ・アラサカの復活が報道されていました。
喩えで使われることの多い言葉ですが、サブロウ・アラサカにとっては文字どおりの「復活」。
サブロウの「死の超越」は言わずもがな、アラサカの盤石の体制が永遠に続くことを意味します。
そして、その鍵となる<神輿>は破壊されておらず――。
このあたりで「やっちまったか……」と思いはじめました、もう遅いのですが。
<神輿>はコンストラクト化して捕らえた魂を人質にして、アラサカの支配基盤を固めるシステム。
どこに存在するか分からず、それを破壊できるのはブラックウォールの向こう側のオルトのみ。
しかし、オルトは現実世界に興味がなく、接触の鍵となるジョニーは<Relic>に封じられていた。
そして、ヴードゥー・ボーイズだろうとネットウォッチだろうと、オルトを動かすことは不可能。
つまり、<神輿>が今後危うくなる要素はありません。
物理的に破壊、といってもアラサカ・タワーの地下にあるものは単なるアクセスポイントですから。
<Relic>は――話の中心となる試作品<Relic 2.0>は――精神を繋ぐための生体チップ。
あくまで試作段階であり、まだまだ実験途中であったものの、ヨリノブが強奪。
しかし、紆余曲折を経て<Relic>はVの身体と一体化。
Vが傭兵として過ごしている間、<Relic>はその「生きた」データを集めることになります。
そしてハナコの誘導により、<Relic>はVと共にアラサカの手の内に戻ってきた……データを携えて。
<神輿>は無事。
生きた人間による<Relic>の試験データは回収できた。
ジョニーが消滅したことにより、懸念事項となるオルトは出てこない。
「悪魔」はサブロウ・アラサカ完全勝利ルートです。
こうしてみると、ハナコが「ヨリノブが大事」と繰り返し言ってきたことも理解できます。
ヨリノブはサブロウの容れ物になる存在ですからね……。
「適合の問題」があるようなので、確率を上げるためには血縁者のほうが良いのでしょう。
何より脅威としてのヨリノブを排除することもできて、一石二鳥。
繰り返しになりますが……不憫だな、ヨリノブ。
全てが終わってハナコに縋り付いて泣いていたけれど、ハナコもサブロウ派だよ……。
視点を戻して、リハビリの日々は突然終わりを告げます。
ヘルマンの説明によると、要するに「身体がもう限界」だ、と。
「魂の救済」プログラムに参加して<神輿>へ、そして記憶痕跡を新たな肉体へ移植する、と。
罠であることは先刻承知。
何より記憶痕跡を移植してくれる保証もありませんから。
そこで受諾するか拒否するか選べるのですが……結末としては、まあ、同じですね。
今死ぬか、半年後に死ぬか、というところ。
アラサカのことを信じられるのならば生き延びるとも思えますが、アラサカですからね……。
スタッフロール中のメッセージは「太陽」とほぼ同じ。
「ほぼ」というのはまず、「太陽」では死亡するローグのものが追加されていることが違い。
そして「魂の救済」プログラムへの参加を断った場合、ハナコのものも追加。
前者はともかく、後者は驚きました。
能力を意外と高く評価されているようで、アラサカと仕事をしてみない? とさえ提案するという。
ここまで好意的なら、「魂の救済」プログラムで記憶痕跡を移植してくれる可能性も……?
――いや、アラサカでしたね。
しかし、「太陽」と同じ内容でも、今回は後ろ向きにしか考えられないとは……。
生きて帰るであろうと考えられるか、死ぬことが確定しているかの違いは大きすぎます。
「悪魔」に手を貸したこと自体が間違いか……!
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