※映画のネタバレを含みます
わざわざ片道1時間半かけて観てきたよ! 「スパイラル:ソウ オールリセット」ッ!!
わざわざ注意書きを入れたので、躊躇いなく書きます。
地元の映画館で上映していないとは思わなかったな……。
まず触れておきたいのは邦題である「オールリセット」の是非。
コレに関しては「上手い」の一言。
既に8作品も続いており、新規お断りの空気もあるSAWシリーズ。
例のバスルームから連綿と続いてきた繋がりもようやく途絶え、全てを一新した今作。
まさに「リセット」。
これは新規を呼び込むための文言にもなっているのかな、と。
そして、犯人の目的である腐敗した警察組織の浄化。
これもまた「リセット」。
最後に――1つ目の「リセット」と被る部分ではありますが――ストーリーの「リセット」。
今作は明らかに尻切れトンボ、中途半端な幕引きを迎えます。
ここからまた続いていくのだな……と複雑な感情を抱かせる「リセット」。
それらをまとめて「オールリセット」。
なるほどな、上手いな、と映画を観終わってから感心してしまいました。
邦題は3作連続で褒めるところしかないと思います。
SAWシリーズを成す二本柱は「ジグソウ」と「ゲーム」。
今作の場合、一方は良かったものの……という感じ。
今作ではジグソウが出てきません。
なので、前作と同じく「誰がジグソウの模倣犯なのか?」という点が問題になってきます。
ただ、犯人に関しては観た人の100人中70人ぐらいは分かっていたのではないでしょうか。
あまりにも露骨すぎる……!
それまで殺害された警察官には理由があるのに、彼の死には理由がない。
さらに言えば、本人確認が困難な状態で見つかります。
そこを疑わない人はまずいないでしょう。
何せ、我々は「バスルームのド真ん中の死体」というあり得ない犯人を見ているのです。
それに、話が進むにつれて登場人物がどんどん減るため、消去法で……。
SAWシリーズはいきなり新しい人物が割り込んでくるような映画でもありませんから。
そんなワケで、「誰がジグソウの模倣犯なのか?」という点においては楽しめませんでした。
こうなると犯人の魅力でカバーするしかないのですが……困ったことに、それもない、という。
ジョン・クレイマーのような狂った倫理観と美学もない。
マーク・ホフマンのような冷徹さと自己利益の追求と生への執着もない。
ローガン・ネルソンのような使命感と鋼のような意志もない。
あるのはジークへの忠誠心、そしてマーカスへの復讐心だけ、という。
マーカスへの復讐は遂げてしまうので、続編があるにせよ本格的に空っぽに……?
アレでおしまい、とはいかないでしょうし、どう彼を描いていくのでしょうか。
……そういえば固有名詞を持ちませんね、彼。
終始「ジグソウの模倣犯」で、彼個人の呼び方がなかったような?
「ジグソウ」に関しては上記のとおり。
しかし、もう片方の「ゲーム」は良かったように思います。
「代償を払わなければ死」という基本に忠実でシンプルな作り。
代償といい制限時間といい、少し殺意が高すぎる感じもしますが……。
ジークと対面した時に語ったように、一応、生存による改心が目的でもあるハズ。
それを考えれば殺人が目的ではなく、ジョン寄りかな、と。
最後の「ゲーム」? アレはもう「トラップ」でしょう。
しかし、もう片方の「ゲーム」は良かったように思います。
「代償を払わなければ死」という基本に忠実でシンプルな作り。
代償といい制限時間といい、少し殺意が高すぎる感じもしますが……。
ジークと対面した時に語ったように、一応、生存による改心が目的でもあるハズ。
それを考えれば殺人が目的ではなく、ジョン寄りかな、と。
最後の「ゲーム」? アレはもう「トラップ」でしょう。
まとめると、今作の正直な感想は「微妙」。
要らないオマージュ、使いどころがイマイチだったいつもの演出も引っかかるところ。
もしかするとシリーズワーストかもしれません。
人間ドラマを重視したり、突然ジョークが飛び出したりと新たな切り口を見せたことは確か。
ただ、キッチリ終わるものを期待して観たのに、続編ありきのオチでガッカリ、というところ。
犯人が分かりやすかったことも今作は挨拶みたいなもの、あくまでプロローグなんだろうな、と。
これで続編がない場合……は考えたくないですね。
これだけ延々と続いてきた作品が、あの幕引きで終わるのは許されないでしょう、マジで。
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